○6桜家庭科授業/エプロン制作
○【【詳報その4】幸島美智子先生講演】
(校長発:平成27年11月21日土曜) 晴れ
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5,なぜ「いじめ」をするようになるのか?
(1)その子の心が毛羽立っている(ケバダッテイル)から「いじめ」をするようになる。オーストラリアの准教授の調査によると、いじめっ子の家庭は等しく「家庭の絆が弱い(無関心)」か「過干渉」であったという。
(2)「こどものことに無関心」と正反対の「過干渉」も我が子を「いじめっ子」にする要因だという。我が子の成長に親がレールを敷いて、それに従うように強制的に干渉してはいけない。
子育ては「自分のこどもを何にするか」ということではない。「自分の進路は自分で切り開く こどもに育てる」ことが子育てである。
「こどもが自分の力で生きるようになった」・・・こうなって初めて親は「これで死ねる」と思う。それが親の幸せというものではなかろうか。
(3)我が子のレールを敷く「過干渉」は こどもの心を毛羽立たせていくということを忘れてほしくない。
「剃刀のように頭が良い」という言い方があるが、過干渉の結果、仮に「剃刀のように頭が良い人」になったとして、「剃刀では木は倒せない」ということを知っておいた方が良いだろう。鉈(なた)や斧(おの)でなければ木は倒せない。
知人に「月極駐車場」のことを「月極(げっきょく)さんってあっちこっちに駐車場を持っていて大金持ちだな」と言ったり
「デジル玉子をください」と言って店員さんに「はい、出汁巻き玉子一丁」と言われたり、
「マタキチさんが花火を書いた」と言うのが「ピースの又吉さんの『火花』」のことだったりというように、漢字に弱い人がいる。
でも、その人は誰よりも立派に人生を送っている人だ。
字の読み間違いをしない方が良いには良いが、心が鉈や斧のように太くて「一人で人生を送れる力」を身につけさせることの方がもっと大事だ。
6,愛情をたっぷり注いで育てることーこどもの心を毛羽立たせないー
(1) こどもの心を毛羽立たせない方法は、愛情をもって育てること。
愛情たっぷりに育てられた子は人を決していじめない。
ただし、「条件付きの愛情」は愛情ではない。こどもは見抜く。子育ては「無条件の愛情」でなければならない。
常に身体を気づかうことばをかけることが大事。
こどもが帰宅してきたとき、あるいは どこかに こどもを迎えに行ったとき、「お腹、減っただろう?」、
夏の暑い盛りだったら「きょうも暑かっただろう?」真冬なら「寒くはなかったかい?」などの言葉掛けをすることが大事。
(2)門限を破ったりして遅く帰ってきたときも、まず声掛けは「寒かっただろう?」(暑かっただろう?お腹が減っているだろう?)であるべき。
その次に「心配していたよ」の言葉。
決して「このバカ野郎!」などといきなり怒鳴りつけてはいけない。
(3)こどもは、家の明かり、夕食のにおいを求めて帰ってくる。 そのこどもの気持ちに寄り添って迎えてやることが大事だ。子育ては時に「めんどくさい」ことがあるが、そのめんどくさいことを親がやってやるのがとても大切なことだ。「めんどくさい」ことを厭わない(いとわない)のが親というもの。
(4)また何気ないスキンシップが大事。
10歳までは親が一緒にお風呂に入ることが大事。
異性のこどもとは10歳までだが、こどもにとって お風呂は「愛された記憶」を残す場所だということを知っておいてほしい。
「お母さん、お風呂に一緒に入ろう」と言ってきたら、その子の心に黄信号がともっているサイン。 お風呂には一緒に入るのが当たり前にすることが大切である。
(5)愛情たっぷりに育てた子は人をいじめないだけでなく、友だちを守る。
友だちを守るということは、友だちが困っているときに傍観しない、見て見ぬふりをしないということだ。
いじめられたり、困っている子には、必ず「何かあったの?」とか「私に(僕に)話してよ」というように声をかけてあげる子に育てて欲しい。
だまって見過ごすことをしないということ。そういう子に育ってほしい。
(その5)につづく