○漢字書取大会
○【詳報その2】幸島美智子先生講演
(校長発:平成27年11月7日土曜日) 曇り
幸島先生講演シリーズ(その1)←クリックしてお読みください。
2,「こどもの暴力」について
(1) 少年犯罪の総数は減少傾向にあるが、 こどもによる「校内暴力」は増えている。特に「先生への暴力」が低年齢化している。 ここ数年で1万件を超えている。 小学校1年生が先生を蹴るケースも起きている。
(2) 校内暴力で肝心なことは「悪いものは悪い」ということを貫くことである。 家に帰ってきた
こどもが「きょう、先生に胸ぐらをつかまれた」と報告してきたら、親はどういう態度をとるべきか?
親の中には、すぐ先生に「うちの子の胸ぐらをつかむとは何事か!」のように電話する親がいる。とんでもないことだ。 先生が胸ぐらをつかまざるを得ないというのは、よほどのことだ。 だから親は
こどもに向かって「おまえは、どうして先生に胸ぐらをつかまれるようなことをしたのか!」と、まず
こどもを問いただすことが大事だ。
(3) 「先生が胸ぐらをつかむ国」と「 こどもが先生に暴力をふるったり悪態をついたりする国」とでは、どっちが「未来が危うい国」だろうか?
3, こどもに対する「虐待」について
(1) 虐待の種類には、
1、身体的虐待
2、性的虐待
3、ネグレクト(子育て放棄・親の怠慢)
4、心理的虐待(言葉の暴力・
こどもの前で激しい夫婦ゲンカ等)
5、不適切な養育(虐待とまでは言いきれなくても こどもの心身を傷つける危険性のある養育)
がある。
(2) 今日における「こどもの問題」の根底にあるのは こどもに対する「虐待」である。
川崎市で今年の2月に中学校1年生が真冬の川に入れられて首を切られて殺された事件。
もっとも断罪されるべきは犯人だが、ここで考えたいのは、前日の晩ご飯のときに、母親に「パンを食べる?」と言ったそうだが、パンが夕食という家庭の問題がある。
(3) 大阪の寝屋川で中1の男女生徒が殺された事件では、女子生徒の身元確認に手こずって、警察は何をしているんだと責められたが、実は、女子生徒の遺体が発見報道された直後、「我が子ではないだろうか?」という問い合わせが殺到したために、その照合で時間がかかったらしい。
これも犯人が最も断罪されなければならないが、ここで考えたいのは、それだけ、深夜徘徊する
こどもが多いということ、それを許している家庭がその人数分だけあるということ。 これも虐待の一種である。
(4) こどもが「腐って」いくのは、親が「腐って」いるからである。
(5) 虐待の種類4であげた「心理的虐待」の一つに「面前DV」(面前ドメスティックバイオレンス)というのがある。
こどもの前で「父親(母親)が母親(父親)をなぐる」また「なぐりあい」をすることを言う。これも
こどもに対する虐待である。
なぐりあいには至らない夫婦ゲンカも見せないほうが良い。夫婦ゲンカは
こどものいないところですること。
(6) こどもが幸せでなかったら親は幸せになれない。 それが分かっていたら、こどもが辛い思いをすることなど出来ないはずだ。
(7) 上記2の性的虐待に関しては、兄妹間でも起きている。 兄が中学校に入ったら「こども部屋」を分けなければならない。同室にしてはいけない。また兄妹だけを残して親が家を空けることはあってはならない。
(8)また、親が異性のこどもと一緒にお風呂に入るのは、10歳までが限界である。現代では「思春期」の入り口は8歳9歳(小学校3年生)であると言われている。
「初めてたばこを口にした」平均年齢は小学校3年生という調査がある。
8,9歳で「思春期の入り口」、そして14歳で二度目の本格的な思春期が訪れる。
10歳を超えても異性の親といっしょに風呂に入るという子は発育が遅れているということであって、親としては一緒に入ることを避けるようにしなければならない。