2月13日月曜朝会「国枝選手引退」
さん、おはようございます。
11日、土曜日は建国記念の日でした。沢山の国民の祝日がありますが、私たちが住む国が作られた記念日ですから、祝日の中でも特別な日であると私は感じています。皆さんにとって、これまでの日本の歴史や文化、未来の日本について考える時間となっていたらとても素晴らしいことだと思います。
6年生も登校が再開されて一週間が過ぎましたが、元の生活に慣れてきましたか。それぞれの進学先もほぼ決まったところでしょうか。皆さんの受験状況を見せてもらいましたが、みんな本当によく頑張ったと思います。皆さんの明るい未来を期待しています。
さて、皆さんは車いすテニス男子の国枝慎吾さんを知っていますか?これまでに参加したパラリンピックでは計4個の金メダルを獲得し、それ以外にも、世界の大きな大会で男子歴代最多となる50回の優勝記録を持っています。有名な選手ですから、知らない人はいないのではないかと思いますが、その国枝選手が2月で現役を引退することになりました。ニュースにも沢山取り上げられていましたね。
普通選手が引退をするのは、体力の衰えなどから第一線で競技を行うことが厳しくなってきたり、ケガや病気で力を維持できなくなったりした時に、引退することを決意することが多いのだろうと思います。
今回引退を決意した国枝選手は、現在、世界ランク一位ですので、まだまだ活躍できると誰もが考えている中での引退でした。勇気ある決断だったと推察します。
その国枝選手ですが、9歳の時、脊髄腫瘍による下半身麻痺のため、以後は車いす生活になりましたが、それ以前は、野球をするなど体を動かすことが好きだったので、当時はやっていた「スラムダンク」の影響で、車いすバスケなどを探したけれども、身近なところにチームが無く、母親の奨めもあって車いすテニスを始めたそうです。
その後、高校に進学した国枝選手は、初めて海外への遠征試合に出かけ、当時の世界のトップ選手のプレーに感激し、自らも世界を目指して本格的に競技に取り組んだという事でした。
国枝選手のプレイスタイルは、チェアワークという車いすの扱い方がとても素早く、他の選手よりも早くボールを打ち返すことが出来ることだそうです。
海外のトップ選手たちからは、国枝選手のスピードは、「現在の車椅子テニスの世界ではずば抜けている」と話しています。また、常に努力を惜しまずに、サービスやバックハンドなども研究と改良を重ね、世界のトップに立ったのですね。
そうして強くなった国枝選手ですが、常にラケットには「俺は最強だ」と書いて自分の気持ちを強く持てるようにしていたのですが、ある時、若手の強い選手が沢山育ってきて、世界王者を手放してしまったことがあったそうです。
少し弱気になり「俺は、最強だ」という言葉を外そうかと迷っけれども、一度諦めたら、二度と王者に戻れないと思い、弱気の虫を飛ばして「俺は最強だ」を続けてきたと話していました。
私が、国枝選手の特に素晴らしいと感じたのは、このところでした。人は誰でも「俺が最強だ」と言ったとしても、必ずしも最強になれるなどありません。けれども最強を目指し、努力を続けること、目標を高く追い続けることで、今よりも上に、また更に上の技術を身に付けたり、試合を勝ち進んだりするでしょうし、勉強で言えばできなかった問題が解けたり、更に難しい問題に挑戦することができたりするのだということです。
世界の一流選手のようになることは、中々できることではありませんが、今よりも高い目標を持って挑戦し続けることは皆さんにもできるはずです。もしかすると世界の頂点に立つ人が、この中から出るかもしれません。期待したいと思います。
「俺は最強だ」とは言わなくてもいいですが、ぜひ、自分なりの高い目標を持ち続けてください。
今日ご紹介しました、国枝慎吾選手には、国民栄誉賞を授与する方向で検討していることを日本政府が表明しました。素晴らしいことだと思います。受賞が決まりましたら心から拍手を送りたいと思います。
さて、6年生は明日から卒業記念の「北海道スキー旅行」です。3年ぶりの開催となります。今からとても楽しみにしていることでしょう。
ホテルも素敵ですし、何よりも富良野のスキー場の雪は最高です。あっという間にみんなは上手になりますから、スキーって楽しいなと感じてもらえると思います。
そんな楽しみ満載の北海道旅行ですが、6年生には最後の締めくくりとして、しっかりとした規律ある行動をするよう努めてください。
特に、空港や飛行機の中、ホテルでの生活など、常に周りに人が居ることを感じ、責任ある行動をとってください。
何といっても久しぶりの富良野です。今年が良ければ、きっと来年の6年生を喜んで向けてくれると思います。皆さんの後輩たちのためにも、よろしくお願いします。
では、今日の話をおわります。