○教頭紀行文(その2)『氷瀑祭・・北海道層雲峡にて/卒業記念旅行』
○さっそうと「あいさつ戦隊」が行く
(校長発:平成27年2月25日水曜)
身も凍る氷瀑まつり...帰路のバスで感じた優しさ
教頭 板橋昭夫
一行は、一路バスで層雲峡へ。
左右の山肌は墨絵のような趣きで車窓に迫ってきます。
多少ホテルで暖をとってから、薄暮の中、近くの氷瀑まつり会場へ。
北海道は東京より日が落ちるのが早く、会場へ着く頃には辺りは暗くなり、雪で作られたシャトウや回廊が、イルミネーションで輝き出します。
今回の会場のテーマは「アナと雪の女王」。
零下マイナス5度を下回る中、早速学級毎に見て回ります。春節なのか、ほとんど聞こえてくる会話は、台湾か中国語です。
異国の方たちと見学する氷瀑まつりも、なんとも乙な体験となりました。
城や回廊の道筋は、まるで鍾乳洞へ入ったかのような様相で、氷が青く透き通り冷え冷えとしていますが、外よりは温かいのです。
6年生たちは足元に気をつけながらガイドに案内されていきます。
小一時間ほどの観覧でしたが、北海道でしか味わえない体験をして、何か清々しい気持ちにしてくれる氷瀑祭でした。
旭岳近く、温泉が豊富に湧き出すお風呂に癒されて、六年生一行は眠りにつきました。
私は、途中からの随行でしたが、帰路バスの中で印象に残ることがありました。
それは、先生たちに温かく見守られている子どもたちの姿がここにもあったことです。
当然、旅行では楽しいことばかりなのですが、ルール違反をして嫌な思いをしなければならない場面にも遭遇します。
この旅行が子どもたちにとって、良い思い出として残ってほしい、良いクラスになってほしいという気持ちからか、担任が、昨日犯した夜のルール違反を話題にして、学級全員に説教をしていました。
きっと担任の先生にとっては、辛く尋常でない気持ちでいたのでしょうが、こういう担任の子どもを思う気持ちの優しさ、これは私にとっては、後戻りができないなんとうらやましく、美しい光景ではないでしょうか。
子どもたちと歩む卒業記念旅行の意味は、北海道の大自然に抱かれて、人の関係の良さを紡ぐための歩みだったんだと、今更ながら感じる旅行でした。
叱られたことも、楽しむことも全部が一つの良い思い出として刻まれ、白く広大な原野を眼下において、一行は旭川空港を後にしました。