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○「奈々子に」吉野弘詩集より朗読by教頭(全校朝会)
 この機会に吉野弘「祝婚歌」を紹介します
○1月26日東急・小田急沿線私立小学校合同相談会
 ご来訪ありがとうございました

(校長発:平成26年1月27日月曜) 晴れ  

    ※昨日の日曜日、「東急・小田急沿線私立小学校合同相談会」が洗足学園で
     開かれましたが、大勢の皆様が本校ブースを訪れてくださいました。
     300部用意した学校案内がすべて はけました。心より感謝申し上げます。

     また、本校入学前にもかかわらず、本ブログをご愛読いただいているという方々
     が大勢いらっしゃいました。合わせて御礼申し上げます。

         ※先週末から今日にかけて校長室を訪問してくれた児童がたくさんいますが
      明日ご紹介いたします。

 今朝、国道246号線上り車線で事故渋滞があり、通常40分で出勤するところを2時間近くもかかる羽目に遭い、遅刻してしまいました。 渋滞とはいえ、校長が全校朝会に間に合わず、まことに面目ない次第でございました。

 私に代わって教頭に講話をしてもらいましたが、昨年亡くなった詩人吉野弘さんの詩を朗読したと聞き、なるほど、さすがは教頭だなと感じ入ったところでございます。

 こどもたちも神妙にきいていたそうです。

(続きは、↑↓見出しをクリックしてご覧ください)

【全校朝会】

  児童会のお知らせでは、インフルエンザ防止の呼びかけと週末から中学受験の6年生に対するエールを送ってくれたそうです。 私も6年生にエールを送ろうと思っていたものですから、児童会役員の5年生に感謝いたします。

 それでは、朝会の模様をフラッシュ動画でご覧ください。事務長が撮影してくれました。

        ↓ 40秒

以下、朝会で教頭が朗読した「奈々子に」という詩をご紹介します。

    ※著作権がありますので、部分抜粋にとどめますが、実に愛情にあふれた詩
     であることがお分かりいただけると思います。

     「吉野弘 奈々子に」でweb検索すると全文が読めるサイトに行き当たります。

    ※また、吉野弘さん(昨年他界)には「祝婚歌」という広く知られた詩があり、
     こちらのほうは生前、著作権料を「放棄」しておられます。
      とても良い詩ですので、皆様にいつかご紹介したいと思っておりましたが、
     今日がちょうど良い機会ですので、後ろに全文掲載致します。
     どうぞ 合わせてお読みいただければと存じます。

ではまず、教頭朗読「奈々子に」からお読みください。

 

奈々子に

       吉野弘

赤い林檎の頬をして
眠っている奈々子。

(中略) 

お父さんが
お前にあげたいものは
健康と
自分を愛する心だ。

(中略)

お父さんにも
お母さんにも
酸っぱい苦労がふえた


苦労は
今は
お前にあげられない。


お前にあげたいものは。
香りのよい健康と
かちとるにむづかしく
はぐくむにむづかしい
自分を愛する心だ。

                以上

【祝婚歌】(しゅくこんか)

詩人の透徹した思考力で、人生の機微を、含蓄に富んだ言葉で表している詩です。

35年ほど前、友人の結婚式で来賓が朗読したときに知った詩なのですが、それ以来、私も、教え子らの結婚式に呼ばれると、新郎新婦にこの詩を贈ってきました。

   ※吉野弘さんが「祝婚歌」の著作権料を放棄なさっておられることについて
    田中角栄元首相の秘書だった早坂茂三さんが書いておられます。
    それを詩の後ろに掲載しますので、合わせてお読みください。感動的です。
     お言葉に甘えて全文掲載致します。

 

『 祝 婚 歌 』  

           吉野 弘  
 

二人が睦まじくいるためには

  愚かでいるほうがいい

  立派過ぎないほうがいい

  立派過ぎることは

   長持ちしないことだと

   気づいているほうがいい

  完璧をめざさないほうがいい


   完璧なんて不自然なことだと

   うそぶいているほうがいい

   二人のうち どちらかが

   ふざけているほうがいい

   ずっこけているほうがいい

  互いに非難することがあっても

   非難できる資格が自分にあったかどうか

   あとで疑わしくなるほうがいい

  正しいことを言うときは

   少しひかえめにするほうがいい

  正しいことを言うときは

   相手を傷つけやすいものだと

   気づいているほうがいい

  立派でありたいとか

   正しくありたいとかいう

   無理な緊張には色目を使わず

   ゆったりゆたかに

   光を浴びているほうがいい

  健康で風に吹かれながら

   生きていることのなつかしさに

   ふと胸が熱くなる

   そんな日があってもいい

  そしてなぜ 胸が熱くなるのか

   黙っていてもふたりには

   わかるのであってほしい

【祝婚歌の著作権放棄について】

早坂茂三 『人生の達人たちに学ぶ 渡る世間の裏話』(東洋経済新報社刊)より引用

        ↓ 

早坂 吉野さんは「祝婚歌」を「民謡みたいなものだ」とおっしゃっているように
    聞いたんですけど、それはどういう意味ですか。

吉野 民謡というのは、作詞者とか、作曲者がわからなくとも、
    歌が面白ければ歌ってくれるわけです。だから、私の作者の名前がなくとも、
    作品を喜んでくれるという意味で、私は知らない間に民謡を一つ書いちゃった
    なと、そういう感覚なんです。

早坂 いいお話ですね。「祝婚歌」は結婚式場とか、いろんなところから
    パンフレットに使いたいとか、随分、言って来るでしょう。
     ただ、版権や著作権がどうなっているのか、そういうときは何とお答えになるんですか。

吉野 そのときに民謡の説を持ち出すわけです。
    民謡というのは、著作権料がいりませんよ。
    作者が不明ですからね。こうやって聞いてくださる方は、
    非常に良心的に聞いてくださるわけですね。
    だから,そういう著作権料というのは心配はまったく要りませんから....

                         以上




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