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創作寓話「3匹の猫」/立派大賞

(校長発:平成25年5月15日水曜) 晴れ

facebook公式ページ(本日の記事:「運動会近し」)

 きょうは記事の編集の余裕がなく、創作寓話をお読みいただきます。

(続きは、↑↓見出しをクリックしてご覧ください)

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【立派大賞】

 水曜恒例の立派大賞です。

 大賞:1年両組、2年両組、3年両組、4年両組、5年両組

    ※1年生は最初ちょっと話し声が多かったけれども、後で回ったら静かにしていました。
      お手伝いの5年生のお世話のお陰と思われます。お手伝いに立派大賞特別賞。

    ※5年生は目標を立てたり話し合いをしたりしていて上級生の自覚あり。

    ※6年生は残念ながら選外。ざわついていたけど、今日は私から注意致しませんでした。
     運動会に向けて全校リーダーとして頑張っているのは分かっているので、少々の息抜き
     だろうと思って朝のあいさつだけしてやり過ごしました。

【創作寓話「3匹の猫」(平成10年(1998)重永睦夫作)】

 ある山間(やまあい)に、ニャン六、ニャン七、ニャン八という3匹の猫がいた。

 3匹とも、いつも尾を天へそびやかして歩く癖を持っていた。そろいもそろってお尻丸だしである。

 3匹が山間に暮らしているときはどうってこともなかったが、ある時、うちそろって里にお降りて暮らすことになった。

 3匹が里に降りると、里の猫たちはみんな尾を地面の方にた垂らしている。それが里の猫のたしなみだった。

  ニャン六は、尾を垂らしている里の猫がくたびれて見えるので好きではなかった。なぜ自分たち山の猫のように尾を天にそびやかして歩かないのだろうと、不思議だった。里猫を軽蔑(けいべつ)した。俺は決してくたびれはしないぞと心に誓って、前よりいっそう尾をそびやかすことに努めた。

 ニャン六を見かけた里猫らは、ますます後ずさりして道をあけるようになった。ニャン六は、俺様を尊敬して道をあけるのだろうと勘違いしたので、ますます得意満面、意気軒昂(いきけんこう)になった。

  ニャン七は、里猫たちの容姿(すがたかたち)が自分ら山の猫と同じなので、ほっとした。これなら里猫たちと仲良くしていけると思った。それで、 里猫たちに気さくに声をかけた。が、里猫らはニャン七に声をかけられると走り去るのだった。だからニャン七は、里猫のことを愛想悪い(あいそわるい)連中だと不愉快でならなかった。でも自分のことはかえりみなかった。

  ニャン八だけが、里の猫に逃げられることに悩んだ。悩んだ末に自分たちと里の猫の違いをよく観察することにした・・・容姿は同じである。鳴き声も同じ、食べ物も同じ、歩(ほ)の進め方も同じ、前足で面(おもて)を拭う仕種(ぬぐうしぐさ)も同じだ。

 ただ尾の向きだけが違う。何故里の猫たちは尾を天にそびやかさないのだろうと考えた。

 尾を天にそびやかす方がかっこう恰好良いのに、と眠れない夜もあるほど悩んだ。

 ある日、ニャン六とニャン七の後ろ姿を眺めていて、ニャン八はあっと気がついた。

 六と七のお尻が丸見えではないか。里の猫のお尻はみんな尾で隠されているのに、六と七のお尻は丸見えだ。ならば自分のお尻も・・・・・ニャン八の顔から火が出た。すぐ尾を降ろした。

 今までのことが恥ずかしかったが、尾を降ろしたまま恐る恐る里の猫に近づいて後ろ姿を見せたところ、里の猫はにこりとして、ニャン八の面(おもて)を舌でぺろりとしてくれた。

 ニャン八は、そのことを六と七に一刻も早く教えてやりたかったが、その二匹の姿はもうニャン八にさえも恥ずかしくて、思わずあとずさりするしかないのだった。

 どうしてってニャン七はお尻丸出しを全く気にかけていないし、ニャン六に至っては、お尻丸だしに気がつかず得意満面に腰を振り振り歩き回っているのだもの。どっぺん。

 ■自分を知らない人は、恥も知りません。「無知」は「無恥」に通じます。

  得意満面はだいたいが「恥知らず」に結びつくものです。

                           以上

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