藤田紘一郎先生講演会@父母の会
(校長発:平成24年10月9日火曜)
きょうはつづきにすぐ進んでください。
(続きは、↑↓見出しをクリックしてご覧ください)
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【免疫力をつける生活ーアトピーからがんまでー藤田紘一郎先生】
大変たのしくためになるお話でした。インターネットサイトでも藤田先生は、次のURLで本日のお話に近いことを公開されていますので、ご参考になさってください。
↓
それでは今日の模様をお知らせ致します。
都市大付属小父母の会文化部主催
「免疫力をつける生活?アトピーからがんまで?」
※本ブログで報告するご承諾を先生よりいただいておりますが、
1、以下の著作権は藤田紘一郎先生ですが、その文責は校長の重永ですので、
2、ただし記述の過ちがあったときは、重永の聴き違いです。重永までご連絡願います。
↓ 講演される藤田紘一郎先生。 大研究者でいらっしゃるのに、大変気さくでユーモアあふれるお話でした。
ダジャレも得意で、患者さんがいつも笑って病気をなおせるように、「藤田先生のダジャレをきく会」も開かれるそうです。 最初に藤田先生のお人柄を分かっていただくためにも、先生のダジャレを二つご紹介しておきましょう。
- 私が運転する車はベンツではないのですが、患者さんのなかにベンツに乗ってこられる方がいらっしゃるので、その方に「ベンツは良いですか?」と尋ねたのですね。そうしたら、「はい、とっても良いですよ。一日一回かならずあります」と答えられるんですよ。・・・・・「ベンツと便通を聞きちがえんたんですね。」
- また、笑いは病気をなおすのに大切なのですが、林家木久蔵さんのダジャレと私のダジャレのどちらが病気をなおすのに効果があるか、皆さん、わかりますか? そうですね。「効くぞう」ですから、木久蔵さんのほうが効くにきまっています。
以上のような名調子です。藤田先生に診てもらう患者さんは幸せですね。
○ 枕として、3歳までの子育てのお話をされました。 3歳までは愛情いっぱいそそいで育てることが肝心かなめのことで、早期教育などに一辺倒にならないほうが良いとおっしゃいます。なぜなら、「人間らしさ」をつくる大脳皮質の成長は3歳までが鍵だからだそうです。
○ そして、都市大付属小学校がかかげる教育の二本柱=「高い学力と豊かな心」を素晴らしいこととほめていただきました。学力だけでは駄目。スポーツも音楽も大事だし、泥んこいっぱいになることも大事だとおっしゃいました。
それから本題に移っていかれました。
○昔はなかったアレルギー性疾患がなぜ、現代病になったか
・不衛生な環境で暮らすインドネシアのカリマンタン島にもいない。
・こども時代、杉鉄砲といって杉の実を竹の筒にいれて飛ばすおもちゃを作ったが、
その杉の実を取る際に杉の花粉を頭からかぶって金髪になったりしても花粉症には
かからなかった。
・自分たちのこども時代は寄生虫駆除が盛んに行われたほどこどもの体には寄生虫がいた。
・50年前にはない病気が40%ぐらいある。
○「免疫」の基本は1度病気にかかったら生涯二度と同じ病気にはかからないということ。
○どうしたら免疫力を高められるか。
免疫力は、腸内細菌が7割、こころのありかた3割と考えて良い。
したがって、
1、「発酵食品」と「食物繊維」をとること。この二つが腸内細菌の餌だから。
2、笑って楽しくすごすこと...そうすると、がん細胞を退治する「NK細胞」が増えるから。
○ストレスが一番免疫力を落とす
ネズミが餌を食べようとする瞬間に尻尾に電流を流す実験をすると
しばらくしてアトピー性皮膚炎にかかる・・・ 実験をやめると、アトピー性皮膚炎が完治した。
↓ 下の写真がその実験の写真です。劇的変化ですね。
人間も同じ。食事のときにストレスがかかるようなことはしてはいけない。楽しく食事をすること。食事の時間に、こどもに「きょうは勉強をしたか」とかあれこれ説教やら何やら怒ることは良くない。
○活性酸素が増えると「がん」にかかりやすくなる
・電磁波(電子レンジ、携帯電話、スイカやパスモの改札など)
・毎日肉食はTh細胞を小さくする・・・週二回ぐらいの肉料理が一番良い
・「Thー1」細胞を大きくすることによってがん細胞をやっつける
・カップヌードルばっかり食も「Thー1」細胞を小さくする
・
○がん、アレルギー対策は「自然治癒力」の回復が一番
自然治癒力・・・東洋医学の発想
自然治癒力には腸内細菌が関係している。腸内細菌は2kgもいる。
○最大の自然治癒力は腸内細菌である。
動物の体にいる最近は人間の体内に入ると危険だが、人間の体の中にいる細菌は重要な役割を果たしている。
・O-157の発病は発展途上国にはない。腸内細菌がO-157を退治してくれるから。
・O-157は猛毒でも弱い細菌だ。弱いのに、「きれい社会」では腸内細菌がいないから退治されない。
Oー157に感染しても、無症状の子と重症者に分かれるのは、Oー157を退治できるかどうかの違いである。
○ 皮膚についている最近も悪い細菌が体内に侵入することを防いでくれている。
だから、せっけんで毎日洗わない。水洗いで十分。洗剤「きれいきれい」は論外。
「イソジン」で毎日うがいをしない。水うがいで十分。
○ したがって、私の講演で「きたない」と使う時、それは尊敬語の意味がある。
・「きたない」子はO-157にやられない。退治できる子である。
・人間の体は一万年前と変わっていない。一万年前の生活を想像してみてほしい。
○ もちろん、なんでもきたなければ良いと言っているのではない。
きれいにすることは大事だが、「体と心を守る菌」も排除してはいけないということを言っている。
外で思いっきり遊び、抵抗力をやしなおう。
○こどもの免疫力をたかめる方法
1、腸内細菌を増やす
・「落ちたものを食べよう」
・「個体発生は系統発生を繰り返す」
=どの生物も受精卵から誕生まで、40億年間の生命の歴史をたどって、
その生物の姿として生まれてくるのだが、人間は「早産」の形ではやく生まれて
しまう。立って歩ける状態になるまで体内にいたら脳(頭)が大きくなりすぎて、
産道をとおれなくなってしまうから。
・だから、赤ちゃんは生まれてから世の中の土壌菌をとりいれなければならない。
赤ちゃんがなんでも口にいれるのは、「土壌菌」を体内にとりこみ腸内細菌を増やすため。
・ガーリック(ニンニク料理)を食べるなど、がん予防に効果のある食べ物
2、活性酸素をおさえよう
・文明社会は活性酸素を体内に発生させる
・しかし文明社会は後戻りできない
・よくかむこと
・笑うこと・・・NK細胞を増やす
・病気の遺伝子は超長寿者と中年層でなくなる人とで違わない。
・日野原先生は101歳でとてもお元気。
・寿命の回数券と呼ばれる「テロメア」というものがある。活性酸素はテロメアを短くする。
○免疫力をたかめることによって、125歳まで生きられる。
まとめは以上です。私の報告のつたなさをお詫びしつつも、藤田先生のお話の大事なところをつかんでいただければ幸いです。
藤田先生、とても大事なお話をまことにありがとうございました。そして文化部の皆さん、貴重な機会を設けてくださってありがとうございました。
○では最後に、きょうのお話に関係する先生の著作物をご紹介いたします。
「笑うカイチュウ」
「清潔は病気だ」
「子どもの『免疫力』を高める方法」
「125歳まで元気に生きる 不老の免疫学」
「きれい社会の落とし穴 寄生虫と共生する」
近刊で、「脳はバカで腸はかしこい」という本を出されるそうです。
以上