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○三國シェフ講演@東京都環境公社(都庁)/                            ○8・24の19:30三國シェフテレビ出演/                            ○案内「はたらく消防の写生会」

(校長発:平成24年8月23日木曜) 天気 快晴

 8月21日から本日まで東京において日本私立小学校連合会の夏季研修会が開かれており、本校の先生方も参加しております。この全国規模の研修会は、東京と関西を隔年交替で会場として開かれるもので今年は東京が会場です。

 私は積み重ねる所用があり、それには参加できずにいますが、きょうは、都庁で開かれた「環境教育研修会」に参加してまいりました。これに参加した主な目的は「ミクニレッスン」の三國清三シェフの講演を聞くためですが、それ以外の内容も大変すぐれたものでした。

(続きは、↑↓見出しをクリックしてご覧ください)

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【深い話・・・三國シェフ講演と環境教育研修 in 都庁】

きょうの講演の一部をご紹介します。

きょうの環境教育研修は東京都の環境公社が主催して開かれたもので、参加者はほとんど公立小学校の先生でした。「環境教育と食育がどうして関係するのか」と一瞬首をかしげたくなりますが、きょうの研修を受けて、なるほどそうかと合点がいきました。

「環境教育とは、温暖化防止や省エネだけではなく、『豊かに生きる』環境について考えさせる教育である」というコンセプトから、「食育は環境教育の重要な構成要素」であるというわけです。

「豊かに生きる」ための基本中の基本は「食」です。「食」がなければ人は(生き物全般ですが)長らえることはできないだけでなく、「豊かな心」が育たないというわけです。環境教育は単に温暖化防止、省エネではなく、人生を心豊かに送る環境をつくることが目標なわけですから、当然、「食育」が重要になるわけです。

三國先生は、「世界のミクニ」と称せられるフランス料理の大家で、フランス政府から勲章をもらっておられることも周知のことですが、そういう「功なり名とげた」大家が食育を始められたのは、  

「現代の食生活が続いたら、将来、人間社会は崩壊する」

という危機感からでした。

それは1980年代に入ってからヨーロッパでも日本でも凶悪な犯罪が大人だけでなく青年、少年までもが頻繁に起こすようになった原因を考えたことがきっかけです。

それは、昔の「やんちゃ坊主」と質のちがう「手のつけられない」問題児が増えて、あちこちで授業崩壊、教室崩壊が起き始めた原因と同じでした。

それらの問題が起き始めたのは何故か・・・・・さぐってみると、そこには「食」の変化があることが分かりました。

   ・幼児や小学生に朝食をとらせない家庭が増えた。
   ・とらせても、手間暇をかけない調味料づけのファーストフードですませる。
   ・一家団欒の食事がなくなった。
   ・子供だけで食事させる家庭が増えた。
   ・スナック菓子を大量にとる子供がふえた(とらせる親が増えた)。
   などなど・・・・・これじゃあ、身体も人間関係もこわれるばかりか味覚自体が
   壊れてしまう。

人間の味覚は8歳から12歳の間に完成し、13歳になると一部の味覚センサーが閉じ始めるのに、これじゃあ、味覚が完成しない人間が大量に出来あがってしまう。

   ※13歳になると味覚センサー(味蕾・・みらい)が閉じるのは、全部の味覚センサー
    が完成してしまえば全部を開いておく必要はないからだそうです。
     それに加えて、思春期は恋心も芽生えるときで、相手の味覚を信頼して食を
    考えるという高度な心のうごきを促進するという意味もあるそうです。
     ・・・・・「深い話」ですね。私も初めて聞きました。

食が崩壊し、味覚が完成せず、それらが凶悪犯罪の低年齢化を招いているのであれば、急いで「食」を立て直さなければ、将来は授業や学校だけにとどまらず社会そのものが崩壊するだろう・・・・・ こういうことがイタリア、フランスのシェフたちの共通認識となって、味覚の授業を学校にとりいれる運動となり、そこにミクニ先生も関わって、日本における食の立て直しにとりかかったというわけです。

イタリアではいちはやく1986年から、フランスでは1990年から始めたシェフがいます。三國先生もそれらに負けじと日本の学校現場に働きかけたわけですが、ようやく2,000年(平成12年)から、三國先生を受け入れる学校が生まれました。

    ※考えてみたら、私も上記の年間、我が子が生まれましたので、子供がいなかった
     ときは朝食をとることの少なかった自分の生活を反省し、「子供のために、一緒に
     朝食をとろう」と決意し、欠かさず一家団らんで朝食と夕食をとるようにしたことを
     思い出します・・・ 「食が子育ての基本だ」と言われ始めた当時の動きを考えれば
     当然ですね。

こうして、調理実習というにとどまらず、家庭科や総合学習、体験学習などで「意識的な食育」が取り組まれるようになったものの、学校全体として食育に取り組むことは遅々として進みませんでした。

それで、三國先生は服部幸應先生らと相談して、小泉内閣の理解のもとで、平成17年(2005)、食育基本法制定にこぎつけたというわけです。

以上の動きからすれば、本校の「ミクニレッスン」導入も遅い動きであったわけですが、現代の小学校全体からすれば先進的です。

今日の研修会で、

「都市大付属小は昨年度から、食育の年間プログラムとしてミクニレッスンを導入している」

・・・・・そう話しましたら、午後の講師の先生(谷村春樹氏)からも、出席していた公立の先生方からも羨ましがられました。

ミクニレッスンの意義について、いっそうのご理解をお願い致します。

    ※「ミクニレッスン」について、「要するに高名なシェフによるお料理教室でしょ?」と、
     ある所で言われたことがあります。
     私は少々憤慨して、「とんでもない。食育基本法が制定されて、これからの教育は
     知育・徳育・体育に食育を加えるべきだとなったことを知っていますか?
     すなわち、今までの「三育」から「四育」が教育の基本になったのですよ。
     その食育の一環がミクニレッスンです。
     お料理教室ではなく、味覚を育て人を育てる教育がミクニレッスンなのですよ。」
     と答えたのですが、今日の三國先生の講演をきいて、今更に自覚を深めました。

明日、三國シェフがテレビに出演します。

NHK総合 「キッチンが走る!北海道知床スペシャル」

  三國清三×陳建一×杉浦太陽

豪華三人の出演です。

  8月24日(金) 午後7時半から8時43分

再放送は25日(土)朝10時05分から11時18分です。 

 

【ご案内:世田谷美術館「はたらく消防の写生会」展示】

 

以下の案内は、7月26日ブログ記事の再掲です。私は24日の土曜日に鑑賞しようと思っております。

 図工で取り組んだ本校児童(4年生)の作品が全作品展示されます。

 その中から、優秀賞2名、入賞3名の入選がありました。

 下記日程ですので、4年生の皆さんを中心にお出かけになってみてください。

    •  日   程:8月21日(火)ー26日(日)
    •  時   間:21日(火)・・・・・・・・13:00ー18:00
             22日(水)ー25日(土)・10:00ー18:00
             26日(日)・・・・・・・・10:00ー16:00
    •  場   所:世田谷美術館(世田谷区砧公園)

 すでにご案内したように、8月12日から19日まで東京都美術館で書道展(本校書道クラブ出品・入賞)、それに続く形で世田谷美術館で開かれます。

  ↓ 今日の写真は、本日、私が行った都庁第二本庁舎の9階から撮影した風景です。

    あんまり意味ないですね(笑)・・・いろどりと思って。

tocho.jpg

それじゃあ、あまりに芸がないので、三國さんの生まれ育ちからこれまでの歩みを記した「ミクニの奇跡」という本をご紹介しておきます。新潮文庫から出版されています。

 ↓表紙は次のようにミクニ先生の姿写真です。オテル・ドゥ・ミクニの前ですね。

mikuni-no-kiseki.jpg                  以上

 

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