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17日以降の日程/専門情報≪地震@保護者レポート(その2)

(3月16日校長発)

休校期間、皆様ともお元気にお過ごしのことと思います。原発事故も加わり、本当に大変な事態ですが、被災者と被災地の復興支援と合わせて、私ども日本国の底力をみせる試練の時です。

みんなで力を合わせて難局を乗り越えてまいりましょう。

本日3時に明日以降の学校年度末日程について【緊急連絡】を出しました。一斉メールにてその旨配信しましたが、まだ緊急連絡をご覧になっていない方は必ずご覧ください。
  ↓  ↓  ↓
 http://www.tcu-elementary.ed.jp/01news/01kinkyu/2011-0316-1518-3.html

卒業式を挙行することとしました。

(続きは、↑↓見出しをクリックしてご覧ください)

【卒業式挙行について】

卒業式挙行のことについて、校長として一言しておきたいと思います。 

東京と神奈川の私立小学校の年度末日程変更状況について調べられる限り、つぶさに調査致しました。予想したとおりですが、卒業式も修了式も中止するところ、両方とも実施するところ、卒業式だけ実施するところ、卒業式を実施するとしても6年生だけのところ、在校生も列席するところと、さまざまなタイプに分かれております。

卒業式も修了式も中止するところは、地震発生後、「今年度はすべて休校」とする学校でした。それは調査できた全40校のうち5校でした。すべて休校という方針ですから、式典中止は当然と言えます。その学校にはその学校としての教育方針が貫かれていると信じます。

一方、卒業式を実施するとした学校は20校でした。

もとより、私どもは他校がこうだからこうしよう、ああだからああしようということで、決定するものではなく、私どもの教育方針に基づいて決定するものですが、ただ、私どもの決定が決して「独りよがり」ではないということをお示しすることは、保護者の皆様に安心感をもってもらうことにつながると思っております。

本日、長時間、先生方と打ち合わせを行いました。

私どもが、この非常事態の中でも卒業式を挙行すると決定した根本は、卒業式というものを教育者としてどう考えるかという点にあります。

卒業式は「卒業証書授与式」がメインですが、それを超えた教育的意義を有するということは、緊急連絡のお知らせでもふれた通りです。ここで少し敷衍(ふえん)して述べますと、

    1. それは第一に、長い小学校生活、とりわけ6歳から12歳という、人の形成にとって最も大事な時期を、健やかに賢く立派に成長をとげ、思春期に入りさらに大きな成長へ向かう入口にやっと到達した子供の節目を、みんなこぞって祝ってあげるということがあります。
    2. それから同じく大事なことは、卒業生が厳粛な式典の中で、堂々と卒業証書を受けて巣立ちゆく立派な姿を、在校生の目に焼き付けることによって、学校にのこる在校生が卒業生を目標とすることができ、「自分たちもあの先輩方のように立派な少年少女として育つのだ、この学校の卒業生とし巣立つのだ」という心をやしなうという在校生にとっての発達的課題をもっているという点です。
    3. そして、何よりも、異年齢のこどもが別れを惜しみあう、おたがいに学んだ月日をふりかえり懐かしみ、心の深い交流をなすために卒業式とそれに向かう行事(6年生を送る会など)は、ほんのわずかな日であるがゆえに絶大な効果をもたらすということです。卒業生の巣立ちに在校生の力が、在校生が伸びゆくために卒業生との別れを惜しむシーンというのが大きな効果をもつということです。

だから、卒業式は単に卒業生に証書を授与するだけではなく、必ず在校生もまじえた厳粛な演出が大事だと思っているわけです。もちろん、学校倒壊等の非常事態では「授与式」だけのピックアップもありえますし、式の中止もありえます。しかし、現下の情勢ではあるが、卒業式を挙行した方が良い、まだ可能な状況だと判断致しました。

ただ、在校生列席を求めるには、保護者同伴が大事な状況であるため、式場の関係から5年生だけの列席としました。4年生は来年度出席で目的を果たすこととしていきたいと思います。(※もちろん、交通をはじめ現下の諸般事情から登校が無理と判断なさる5年生のご家庭は登校免除としてございます。)

以上、緊急連絡の紙幅では披露できなかった私どもの考えを披瀝し、皆様のご理解とご協力をお願いしたいと存じます。

【保護者の皆さんのメール紹介】

 3・11巨大地震の後、福島原発事故が憂慮ならざるをえない状況のもと、ネットなどで、放射線のヨウ素を防ぐためとか栄養摂取のために地震対策グッズとして「ヨード含有剤」が小粒で有効だとして出回ったり、放射能に関する闇雲(やみくも)な話が出回ったりするようになっていますが、それらに警鐘を鳴らすメールをMさんとAさんが相次いで送って下さいました。

 また、地震時のエレベーターや携帯電話についてもメールをくださった方々がいます。

このような専門的なメールも大変ありがたいです。都市大小学校の保護者の皆さんの専門的知見には感謝感謝です。

 全部を読むと長い記事となりますが、せっかくですので、全掲載します。

【Mさんのメール:ヨード含有剤について】

地震に伴う原発の危機的状況より,流言飛語も多くなり、特にネット上の情報はかなり誤ったものが氾濫しています。

賢明なる都市大小学校のみなさまは,このようなことに惑わされることはないかと思いますが,<ヨード含有剤>というものに関して、放射線医学総合研究所からの注意文章を貼り付けて(下記)おきます。

<ヨード含有剤>や昆布などの食品の大量摂取はくれぐれも控えるよう、注意喚起していただけますと幸いです。 ↓ 以下専門情報です ↓

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ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません
○○インターネット等に流れている根拠のない情報に注意○○

平成23 年3 月14 日(月)
独立行政法人 放射線医学総合研究所
http://www.nirs.go.jp/index.shtml

放射性ヨウ素が大量に体の中に入った場合、健康への影響を低減するために、内服薬である『安定ヨウ素剤』を医師が処方する場合があります。

市販品としてヨウ素を含んだものはたくさんあります。ヨードチンキ、うがい薬、のどスプレー、消毒用せっけん、ルゴール液などです。

これらを内服薬である『安定ヨウ素剤』の代わりに飲むのは絶対にやめてください。

理由は以下のとおりです。

    • うがい薬などの市販品は内服薬ではありません。これにはヨウ素以外の成分が多く含まれ、体に有害な作用を及ぼす可能性のある物質も含まれます。
    • たとえ飲んだとしても、ヨウ素含有量が少なく、放射性ヨウ素が集まるのを抑制する効果がありません。
    • わかめ等の海藻にもヨウ素が含まれますが、これらも効果がありません。
      含まれる安定ヨウ素が一定ではなく、十分な効果を得られるかは不明です。
    •  コンブなどは良く噛まなければならず、消化過程が必要であり、吸収までの時間がかかります。

以上のことから、消毒剤やうがい薬などのヨウ素を含んだ市販品は、『安定ヨウ素剤』の代わりに飲んではいけません。

また海藻等を食べても十分な効果はありません。

『安定ヨウ素剤』を医師が処方するものです。原子力災害などの緊急時に、指定された避難所などで服用指示があった場合のみ、服用してください。
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【Aさんのメール:放射線について】

仕事上放射性同位元素を扱っておりますので、参考までに解説させていただきます。

原子爆弾は被爆(ひばく)といいますが、放射線により人体に影響を及ぼす場合を被曝(ひばく)と言います。・・・「原爆の被爆」の「爆」は火偏、「放射線を浴びたときの被曝」の「曝」は日偏です。

今回、【シーベルト】の言葉がとぴかっておりますが、これは、人体に影響を与える効果(放射線量の単位)のことです。

実は普段の生活の中でもこの影響を受けております。

それが、自然放射線(宇宙被曝)です。宇宙や大地から年間、「2.4mSv(ミリシーベルト)=2400マイクロシーベルト」の放射線を浴びています。

太陽や宇宙のかなたで発生した宇宙線という放射線も、いつも地球の大地に降り注いでいます。体もいろいろな天然の放射性同位元素を含んでいて、これらから出る放射線を体の中からも浴びているのです。

問題は、どのくらいの量をどれくらいの時間浴びるかです。お湯でたとえれば、熱湯ではやけどをしますが、温泉に入ってもやけどはしません。それと同じことが放射線に関しても言うことができます。

よって、「1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト」なので特に問題はありませんが、(今回の原発周辺は)1時間当りに直すと1500マイクロシーベルトを浴びてます。胃の透視(X線検診)が「4mSv(ミリシーベルト)=4000マイクロシーベルト」なので、胃の透視3.4回分を一気に浴びるこのになりますので、安全とは決して言えません。

もし放射線を浴びても、石鹸と水を使って洗い流すことが先決です。(皮膚表面のみですが)

    • 校長の余計な解説・・・そういうことで、原発周辺20Km以内は避難となったのですね。東京に降ったという放射線は、胃の透視放射線よりはるかに低い「0.001ミリシーベルト=1マイクロシーベルト」前後なので、平時の20倍とかではあっても、心配ないと政府が言っているわけですね。今後とも、政府や東電の発表に注目していきたいと思いますが、情報がカギですので、迅速な発表を政府や東電には期待したいと思います。

      また、放射線は体内被曝(体の中に放射線汚染物質が入ること)によって体を破壊するため、外出するときなど、マスクをすることが有効だといいます。ラジオで専門家の話を聞いたのですが、花粉が鼻や口に入るのを防御するためにマスクをするのと同じだといいます。

      低レベルの放射線に汚染された服はビニル袋などに密閉することで放射線の飛散を防げたり、手なども洗うことによって落とせるといいます。もちろん、高レベル汚染は専門家の手による除去や手当が必要です。

【S2さんのメール:エレベーターについて】

ずいぶん時間が経ってからも救助された方がいると聞いて、諦(あきら)めない心が大切だと思っております。

僕自身が通った高等学校の校長先生は、「命を大切に」ということを、折に触れ(終業式などのお話で)繰り返されていました。  自分の命を大切にしろというのが、その第一の主旨だったと思いますが、頑張れと言う意味を含んでおったのでしょう。

いろいろな談話を紹介されても、必ず結論は「命を大切に」とおっしゃるので、強く記憶に残っております。 他人の命の話をされたかは、覚えがありません。

さて、今回の地震で我が子の場合は、自宅マンションの1Fエレベーターホールで、エレベーターを呼ぶボタンを押して、エレベーターが来るのを待っている間に地震に遭いました。

この状況に際して、いくつか気づきましたので、 (既にご認識の方も多いと思いますが) 紹介させていただきます。

今のエレベーターは、地震を感知すると最寄り階に自動停止します。そこで、ドアを開くわけですが、ずっと開いていない場合もあるようです。

    • ポイント1:エレベーターに乗っていて地震に遭い、ドアが開いたら、すぐに降りる。でないと、閉じ込められてしまうかも。

      地震に限らず、停電が理由でエレベーターが停まった場合、復電してもエレベーターは自動復帰しない仕様だと思います。  23区では計画停電は無いようですが、気をつけないと、長時間閉じ込められます。
    • ポイント2:停電するかもしれないときにはエレベーターを使わない。

      最近は、エレベーターの中に非常用品を入れてあるところもあるようですが、停まったときには真っ暗です。これは、低学年には心細いでしょう。
      我が家では、音楽会のときの小さな明かりをキーホルダーとしてランドセルに付けさせています。
    • ポイント3:小さな懐中電灯と笛をキーホルダーとして、ランドセルに付けましょう。反射板もついでに。

      子供が利用するかもしれないエレベーターには非常用品を置くように働きかけるのも良いかもしれません。
      うちのマンション玄関からエレベーターホールまでに3枚の自動ドアがあります。また、ホールからは別ルートで手動ドアで外に通じています。地震時、これら3枚の自動ドアのうち1枚が不動となりました。
      ここも、場合によっては閉じ込めが発生するリスク地点だと認識しました。
    • ポイント4:エレベーターに限らず、電動ドアに囲まれた空間には閉じ込めリスクが存在する。

【M2さんのメール:携帯着信許可や今どこサーチについて】

iモードまたはパソコン(My docomo)を使って、子供をはじめ家族の居場所を地図で確認することができる「今どこサーチ」というものがありますが、それについて一言。

今回の地震では、携帯電話回線が規制されたために、過負荷だったからでしょうか、残念ながら使えませんでした。

合わせて、今回、携帯電話に関する大きな反省点がわかりました。

子どもの携帯に着信を許可してあった電話番号が携帯中心であったため、発信規制中には連絡がつかなかったのです。

かろうじてメールが遅延しつつも届いたので、最低の意思疎通はできましたが、職場も含めた固定電話ルートを確保しておくべきでありました。

【Yさんのメール2信:非常時連絡手段の確保について】 

今回、携帯による連絡がうまくいかず、固定電話はつながったなどということがあります。

連絡系統はどれが良さそうでどれがダメで、というのは無く、ケースバイケースでその時どこにいるか、ということにもよります。

例えば携帯電話は周辺の基地局が壊れていればダメでしょうし、何よりも基地局自体電源が必要なので、大規模な停電が起こってしまえば、電話もメールも使えなくなると思われます。

固定電話については災害時、警察と消防の電話を優先させるため、最大90%の通話規制が行われる事になっています。

その意味では通話規制が固定電話よりもゆるい公衆電話の方が、つながり易いとは言えます。

但し公衆電話は停電時、テレホンカードが使えないので、小銭を持っておくことが大切です。

また、災害時には公衆電話は無料化するのですが、上記の理由でテレホンカードは使えないので、小銭はやっぱり必要です。

通話が終わるとお金は戻ってくる事になっています。

そういう意味では、最も確実な連絡方法は、いろいろな連絡方法を知っている。と言う事ではないでしょうか。

上記の通信手段の他には、

災害伝言ダイヤルや掲示板が役に立つかもしれませんし、例えば我が家では、北海道に住む私の父親の自宅を連絡中継点とすることにしています。

阪神や中越地震の時もそうだったらしいのですが、外部⇒被災地への電話は殺到してパンク状態でしたが、逆に被災地⇒外部への電話はまだ繋がりやすかったそうです。

なので、地方の知人友人宅を共通の連絡中継場所にしておけば、直接連絡を取り合えなくても、中継所を通じて互いの状態を知る事が出来ます。

まぁこれだけいろいろな方法を試してみても、全部ダメって可能性もとても高いので、やはり家族で集合場所を決めておいたり、行動指針を話し合っておくという事が大切だと思います。

【Yさんのメール三信:エレベーターについて】

頭に浮かんだことを何度もメールさせていただきます。

エレベーターと自動ドアの件です。

今時のエレベーターは、非常時の最寄り階停止機能がついていますが、「非常時にはエレベーターは使わない」と決めておくに越した事は無いです。

この最寄り階停止機能について説明しますと、エレベーターの動きとしては、まず最寄り階に停止して扉を開きます。これは震災の時も停電の時も同じです。

一定時間扉を開けた後自動で扉を閉じ、その後呼び出しボタンには反応しなくなります。これは間違えてエレベーターに乗ってしまうのを防ぐためです。

なんらかの原因で最寄り階停止機能が働かず、中間階で止まった場合は閉じ込め事故になりますが、ちゃんと最寄り階で停止していれば、いつでもエレベーター内からは開ボタンで扉は開く事になっています。

例えばエレベーター内で被災、気を失ったとしても、エレベーターがちゃんと働いていれば、意識が戻るまで何分経ったとしてもエレベーターからは外に出れるということです。

あと自動ドアですが、停電などが起これば当然開閉しなくなりますが、地震などでドアがレールから外れたり破損していなければ、ドアとドアのすき間に指を突っ込んで、手で開けられますので、ぜひとも覚えておいていただきたいと思います。覚えておいて損はないと思います。

以上、皆様のご参考になれば幸いです。

※今日の掲載は以上で終わりますが、皆様、情報提供、本当にありがとうございます。

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