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人と自分の命を守るために@救命講習より(2)

(8月31日校長発)

いよいよ夏休みも最後の日をむかえ、明日より二学期の開始ですね。

公立学校は週休二日制による年間授業時数減少をとりもどすために、8月中から二学期に入ったところもあるようです。公立の校長先生たち現場の工夫や努力は多といたしますし、子供たちに学力をつけるために致し方のないこととはいえ、8月も終わらぬうちの二学期というのはどうにも中途半端だと思われてなりません。

それはともかくとしましても、都市大付属小学校も、明日からはきっぱりと夏休み気分を捨てて、学校生活を充実させていきましょう。始業式で何を話すか考えているところですが、いつかの全校朝会でも言いましたように、人間、メリハリをつけることがとっても大事ですから、夏休み気分は今日でおしまいというようにしてほしいと思います。

(続きは、↑↓見出しをクリックしてお読みください)

【8月30日の救命講習で学んだこと(2)】

それでは、昨日ブログ記事の続きです。羅列的になりますが、参考になることも多いと思いますので、お読み願います。(文責は校長)

  1. 飲食店に入ると「おしぼり」が出されます。「おしぼり」は日本ではじまった(日本特有といえるかもしれません)風情(ふぜい)あるおもてなし文化ですが、飲食店で出される冬はあたたかい、夏は冷たいおしぼりは命の洗濯をしてくれます。

    でも実はおしぼりは命の洗濯だけでなく、命をつなぐ生命線になるということを学びました。
    お店で出されたおしぼりを使い終わるとほどなく回収するお店が多いですが、これからは、回収にきても「これは置いておいてください」とお願いしたほうが良いと教わりました。

    それは万が一のことを考えてのことなのですが、お店が火事になったときに、鼻口にあてるマスク用にそなえておくべきだといいます。

    火事の有毒ガスを吸い込まないためにハンカチを鼻口に当てるということは広く知られていることだと思いますが、かわいたものよりも水にぬれたものの方が有毒ガス成分を吸着し人の体に入るのを防いでくれるのだそうです。

    これからは、ほかの人にも勧めて、みんなでおしぼりを手元に確保しておきましょう。しかし、兆時間居座って、おしぼりがかわいたからといって「ぬれたおしぼりに替えてちょうだい」というようなことはお店に失礼ですから言わないようにすることが大事です(笑)。
  2. この夏は猛暑で8月の平均気温は観測史上最高になったそうです。各地で水難事故、熱中症で倒れた人のニュースが連日報じられました。幸い、都市大付属小学校児童は安全でみんな元気よく始業式を迎えられそうでなによりですが、残暑はまだまだ続くようです。

    そこで熱中症対策と、熱中症になった場合の応急手当を教わりました。

    熱中症は、体に水分が不足して汗がでなくなるために体内に熱がたまりすぎて起きる病気です。ですから熱中症にならないためには、水分をたくさん補給する必要があります。

    私たちの若いころはスポーツをしているときに水分をとったら倒れやすくなるので絶対に水を飲んだらだめだと「先輩に」言われたものですが、あれは「しごき」だったのですね。もっとも、その先輩も飲んでいませんでしたから、単純な「しごき」ではありませんが、私は剣道部だったものですから、稽古終了と同時に面をはじめとする防具を脱いで飲む水のうまいことといったら今でも記憶は鮮明です。

    いまは常に水分を補給するのが正しいスポーツのあり方ですが、日常生活においても暑かったり乾燥したりしているときは水分を補給しなければ熱中症になります。汗は塩分も放出しますので、塩水が一番良いのだそうです。

    塩水の代わりとして一番良いのはトマトジュース。次がポカリスエットなどのスポーツドリンク。

    梅干しをかじりながら水を飲むのもきわめて有効だそうです。梅干しの効用は、水を何倍も飲みたくなるので水分補給にはうってつけだということでした。

    だからといって、お父さん方、晩酌で酎ハイを飲むときにやたらとお母さんに梅干しを出すように注文をつけるのは駄目ですよ(笑)。
  3. 熱中症になったときは、冷やすことが一番なわけですが、冷やすといっても額(ひたい)を冷やすのはあまり効果がないそうです。

    熱中症の場合、体の中を一気にひやさなければならないので、血液を冷やすことが大事だと教わりました。そのためには動脈が皮膚の近くに表れているところを冷やすのが有効ということです。

    怪我をして血液があふれるように出ているときに止血点を包帯などで締め付けるのが良いということを聞いた人も多いと思いますが、その止血点は動脈が皮膚表面に表れているところだからというのが、その理由でした。

    止血点(動脈が皮膚に近い)は三か所あります。1、首まわり、2、脇の下、3、股関節付近(太もものの付け根)の三か所です。

    動脈が皮膚に近いところを直接冷やせば、動脈が全身に血を送りこんでいるわけですから、体温は一気に冷えていきます。だから熱中症のときは、止血点の三か所すべてに、冷たいタオルや氷、冷えぴたなどの冷却シートなどを当てると有効だそうです。

    私は沖縄やカンボジアのアンコールワットに行ったときなど、暑くてならないので、首の後ろ(うなじ)に冷却シートを当てましたが、額(ひたい)に張るよりもかなり速く体が冷えたことを思い出しました。・・・ちょっと自慢(笑)
  4. ところで、止血点の話のときに大事な話がありました。昔、私などは、血がどくどくとあふれているときは、出血個所に一番近い止血点を紐などできつくしばりあげよと教わりましたが、それは間違いだと今は教えているそうです。(例:脚のふくらはぎから出血しているときには、一番近い止血点が太ももの付け根なので、そこをきつくしばりあげる)。

    止血点をしばりあげればそこから先に血が流れなくなりますので、確かに出血は止まりますが、同時に怪我をしている場所以外にもすべて血が流れなくなります。そのため、健康な箇所の細胞まで死なせて腐らせてしまうことになり、止血点から先を全切断という悲惨な結果を迎えます。

    ですから、現在は、救急車がくるまでの間、出血している個所を清潔な布で押さえるだけで良いのだそうです。血からの二次感染を防ぐために布の上に清潔なビニル袋を当てておさえる方法もあると教わりました。

    きっと昔は、戦場体験があったり、救急車配備が不足していたりしたために、出血多量で死に至るよりは止血点から先の全切断のほうがまだましだということだったのでしょうね。

以上ですが、大変ためになった救命講習でした。

                    (以上)

 

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