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本校の災害対応について

 お子様を私立小学校に通学させるにあたり、保護者の皆さまの間で、学校の災害対応に関する方針や取り組みについて関心が高まっています。
 本校の震災対応について、3・11東日本大震災発生時における対応を中心に本校の対応方針および考え方についてお知らせ致します。

<目次>

■都市大付属小の震災当日の対応
 1. 校内にいた児童に対して 2.下校途上の児童に対して

■翌日からの対応、保護者への連絡など

■保護者から寄せられた反応

■本校の安全対策の特長

■あるエピソード


■都市大付属小の震災当日の対応

1.校内にいた児童に対して
 ア:3月11日は年度末短縮授業期間であったため、午後2時にはほとんどの児童が下校。
 イ:校内残留児童は、卒業式表彰等練習の6年生や所用で残っていた4年生数名だけ。
 ウ:地震発生とともに教頭の指示で、教員誘導で児童を校庭に集合させ、
   安全確認の後、アリーナ(体育館)へ移動。
 エ:その後、下校途上の児童が二子玉川駅と成城学園前駅のホーム等にいると
   推測されたので、教員が分担して、それぞれ出向き(成城学園前駅からは
   連絡もいただきました)、実際にそこにいた児童を学校へ退避させた。
 オ:イとエの児童を合わせて20名だけ。
 カ:その20名については、学校ホームページに学年氏名掲載するとともに
  (後に全削除)、できるだけ、校内退避残留児童の家庭と連絡をとり、保護者
   引き取りをお願いた。
  (HP掲載にあたっては、非常事態ですので、個人情報といえども出席番号等の
   暗号掲載方式は採用しなかった。出席番号を覚えていない家庭が多いと判断
   した為。引き取り後全削除。)
 キ:交通事情等で引き取りにこれず、その夜、校内に宿泊することになった
   児童は9名。
 ク:宿泊は9名でしたが、全教職員、校内宿泊で児童対応した。
  (但し、家庭に幼児や小学生がいる教職員、要介護のお年寄りのいる教職員は例外)
 ケ:児童と宿泊教員合わせて30名ほどなので、乾パン等の非常食ではなく、
   おにぎりやカップ麺等で児童をねぎらおうと考え、コンビニやスーパーに
   買い出しに行き、翌朝の分まで確保。
 コ:近所に住む学校評議員さんが退避児童のことを心配して差し入れてくださった。
 サ:隣接の都市大付属中高食堂による炊き出し提供の申し出があった。
  (同校は生徒100名ほど宿泊)。結果的には本校対応分で間に合ったので利用
   しなかったが、グループ力による申し出ということで、大変心強かった。
 シ:児童9名は食後、一階教室にマット等を敷き非常用毛布を出して、教員付添で
   睡眠。
 ス:余震等を考え、教員が交替で起きたまま廊下巡回。
 セ:宿泊児童は、翌日午前9時までに保護者引き取りが完了。
 ソ:教職員は、児童引き取り完了後、校舎点検をしてから退勤。

 ※なお、校長は地震発生時、都市大学で会議出席中だったが、ただちに会議を
  中断し、携帯メールや固定電話等で教頭、事務長と連絡をとり、指揮・状況
  確認に当たり、その後、学校に戻り、児童と共に学校に宿泊。

2.下校途上の児童に対して
 ア:前項「エ」のように最寄駅にいる児童は教員が迎えに行き、学校退避措置を
   とった。
 イ:銀行や店舗から、本校児童をあずかっているというありがたい連絡が数件
   入った。それらの児童家庭と連絡をとり、保護者に引き取りに行ってもら
   った。
 ウ:今後の教訓をえるために、下校途上、もしくは既に帰宅在宅児童の状況に
   ついて把握するために、「地震対応アンケート」をとり、現在集計中。

■翌日からの対応、保護者への連絡など

1.大きな余震可能性や鉄道等交通事情を考え、月曜日を臨時休校。
2.月曜日、教職員を集めて、火曜日以降の対応を話し合った。
 ア:三日以内に大きな余震可能性70%という予報及び劣悪な交通事情が
   続くことや計画停電の情報から、17日の木曜日まで休校を延長
  (都合4日の休校)。
 イ:したがって、その間に計画されていた、大縄跳び大会や4年生の
  「2分の1成人式」などは中止。
 ウ:但し、同じくその間に計画されていた「6年生を送る会」は卒業式の
   前日に延期。
 エ:4日間休校明けの学校業務再開については、17日に決定することとし、
   その間、情報収集をするとともに、休校措置の場合と普通登校の場合と
   に分けて、どういうことが起きるか想定シミュレーションを行った。
 オ:シミュレーションの前提として、考え方の基本をしっかり立てることが
   大事だということを確認。基本として立てた考え方は次の通り。
   <1>児童の安全第一を旨とする。
   <2>児童の安全確保が可能と判断されれば、年間計画として残る学校業務は
    やりきって、児童の進級・卒業要件をしっかりと整えて新年度に臨む。
   <3>児童の安全確保が不可能であれば、文部科学省が「進級・卒業要件の緩
    和」に従って、全休校もやむなしとする。
   <4>放射線被害が生じているが、風評に惑わされず、公式情報を基に正確な
    判断をする。
    a.風評に惑わされることは、学校教育法一条校として公式情報に背く
     ことになる。
    b.また風評を理由として休校としたならば、学校再開の理屈が立たない。
   <5>よその小学校(公立私立とも)の情報は最大限収集するが、その情報に
    振り回されず、都市大小学校として主体的な判断決定をする。
    但し、よその小学校がどのような決定をしているか、情報は包み隠さずに
    保護者に提供する。
   <6>学校として判断・決定したことや考え方は、「保護者一斉メール」と共に、
    ホームページの「緊急連絡」欄と「先生ブログ」を最大限活用して、保護
    者に知らせる。
 カ:以上を基に次のように決定を下し、実行した。
   <1>19日(土)卒業式を予定どおりに挙行する。
    但し、在校生列席は5年生のみとし、5年生登校は保護者同伴とする。
    希望があれば、5年生保護者の卒業式列席を認める。
   <2>6年生を送る会は、前日の18日(金)とし、全校児童で行う。
    但し、できるだけ保護者同伴登校とし、また、事情で登校できない
    児童は登校免除とする(出校停止扱い)。
   <3>平成22年度修了式を23日から26日に延期し、21日から26日
    まで、全校児童を登校させ、進級用件を整える。
    但し、できるだけ保護者同伴登校とし、また、事情で登校できない
    児童は登校免除とする(出校停止扱い)。
   <4>その後、春休み中にさらに検討を加え、始業式、入学式、新年度業務
    も予定通り実施することとした。
   <5>放射線被害の問題に対しては、東京都市大学工学部原子力安全工学科
    に相談して、東京都が毎日一時間刻みで計測発表する放射線量をもとに
    毎日、年間換算値が1ミリシーベルトを上回らない限り、通常登校で問
    題ないことを確認しながら、学校業務を継続中。

■保護者から寄せられた反応

 <1>ホームページの緊急連絡欄と先生ブログで、迅速に、状況および決定事項や
  考え方を周知したことについて感謝された。
 <2>学校として情報収集に努め、児童の安全と進級・卒業要件の両方を勘案して、
  主体的な判断を下したことについて信頼の声が寄せられた。
 <3>連続4日間の臨時休校だけでも、児童たちは家庭のなかで悶々と過ごし、気
  持ちがふさいでいたので、学校として児童の安全を第一に考えつつ、学校登
  校は可能と判断して休校措置を解除し、3月26日まで登校させ、お友達と
  一緒に通常生活させてもらえたのは、震災後の児童の心のケアのためにも大変
  良かったと言われた。

■本校の安全対策の特長

 1.都市大グループ力
  ア:いざという時に、本校に隣接する大規模な都市大付属中高と連携して対応
    できる。
  イ:都市大原子力安全工学科とも連絡をとり放射線被害に関する正確な情報を
    得られる。

 2.危機管理の力
  ア:登下校確認のセキュリティシステムや登下校指導、年間カリキュラムに
    おけるセキュリティ教室等、従来から都市大小学校として培ってきた安全
    教育、危機管理意識の醸成が、今般の震災対応でも力を発揮したと思う。
  参考: <登下校通知メールサービスの概要はこちら>

 3.強力な発信力
  ア:「保護者一斉メール」、「ホームページ緊急連絡欄」、「先生ブログ」を
    有機的かつ縦横無尽に活用して、学校の決定事項だけでなく考え方も伝え
    ることで保護者の安心感と学校への信頼感を強めることができたと思う。

 4.教職員の行動力
  ア:迅速な判断で最寄駅に飛んでいく
  イ:児童第一に考え、全員で泊まりこもうという決断力
  ウ:学校としての決定事項を全員で盛り上げようという集中力と結束力

 5.保護者のネットワーク
  ア:本校の父母の会は大変しっかりした組織で、保護者同士のネットワークが
    強いので、今回の震災対応においてもお互いに情報交換しあって、教訓を
    得たり、児童の心のケアを図ったりしている。

■あるエピソード

 地震当日、本校6年生のG君が、出迎えにきたお母さんと帰宅途中、友達の1年生S君はいつもお母さんが仕事から帰ってくるまで一人で留守番していることを思い出して、「お母さん、S君が一人ぼっちで怖がっているはずだから、家に行ってあげて、おうちの人が帰ってくるまで一緒にいてあげようよ」と提案して、お母さんも賛成して、S君の家まで出向いたということです。
 チャイムを鳴らすと、玄関からS君が顔を出して、G君の顔を見た途端、泣き崩れたそうです。それだけ不安でいっぱいだったところに上級生の頼りになるG君がやって来てくれて嬉しかったのでしょう。
 G君はもう卒業して中学生ですが、都市大っ子の中にこのような子供が育ったことを教職員一同誇りに思っています。

本校の放射線量測定結果について

 五島育英会では東京都市大学原子力研究所に依頼し、平成26年3月6日(木)にグループ内の高等学校以下各校および東急自動車学校において放射線量率等の測定を実施いたしました。
 その結果、放射線量率は自然放射線の変動範囲内でした。今後も細心の注意を払いながら東京都市大学原子力研究所の協力のもとに、放射線量等の状況変化を見守ってまいります。
→詳細については、こちらPDFファイル(232KB)をクリックして下さい。

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