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卒業証書授与式 校長式辞(令和四年三月十五日)

今年の春先は天候に恵まれ、日に日に暖かく、間もなく桜の開花が見られるとのこと。今日のこの日を、今か今かと待っているようにも感じます。

今年度も収束の兆しが見られない、新型コロナウイルスの影響により卒業式の開催も危ぶまれておりましたが、関係各位のご努力と保護者の皆さまのご協力により、ここに、令和三年度、東京都市大学付属小学校、第六十六回卒業式を挙行できますこと、誠にありがたく、教職員を代表し、心よりお礼と感謝を申し上げます。

本日の式に際しまして、公務ご多忙のところ、ご来賓として本校父母の会、池田会長様、本校同窓会理事、白井様、そして、卒業生を一年生の時から見守ってくださった、重永前校長先生のご臨席を賜りました。池田会長様、白井理事様には、後ほどご祝辞をいただきます。その他、父母の会役員の皆さまにもご出席をいただいております。また、式場に多数ご列席いただきました保護者の皆さま、本日は誠におめでとうございます。お子様を六年間、お預けくださいましたこと、重ねて御礼申し上げます。

さて、本校を巣立つ七十六名の皆さん、卒業おめでとうございます。
六年間の長い小学校生活を終えて、今、皆さんの心には、沢山の思い出が走馬灯のように回りめぐっていることでしょう。嬉しかったこと、楽しかったこと、悲しかったことや悔しかったことなど、様々な経験が糧となり、一人ひとりを大きく立派に成長させてきたのだと思います。

六年前の入学式に、おうちの方に手を引かれながら、登校したことを覚えていますか。これから始まる小学校生活への沢山の期待で、胸がいっぱいだったのではないでしょうか。
それから数えて六年、重たい荷物を引きずって歩いていた頃とは、比べ物にならないほど、心も身体も大きく成長しました。私が着任したこの二年間だけでも、そう感じるのですから。本日の式に参列されたお父様やお母さま、ご家族の皆様の目には、さぞかし成長した皆さんの姿が頼もしく、また美しく映っていることと思います。

本校は「すこやかに かしこく りりしく 凛として 世界に羽ばたく 気高き子どもたち」の育成を、建学の精神に掲げ、「高い学力」と「豊かな心」を育てることを目標に、様々な教育活動に取り組んでまいりました。

しかし、皆さんが、上級生になってのこの二年間は、新型コロナウイルス感染症の拡大により、多くの教育活動の変更を余儀なくされ、特に、二大行事である運動会は、規模を縮小して行うこととなりました。久しぶりの運動会は、半日での開催でしたが、皆でよく工夫をして大変盛り上げてくれました。明るい皆さんの声は、決してコロナに負けてはいませんでした。

また、「府中の森 芸術劇場」に会場を変えて行われた、音楽発表会では、中学入試が終わって、約一か月で仕上げた、演奏技術や調整力の高さに、「流石は六年生の演奏!」と感嘆させられ、心の震えが止まりませんでした。

皆さんが、コロナに屈せず、身体的にも精神的にも逞しく、力強く成長をしてくれていたことに、本校の教育が、僅かばかりですが、皆さんの成長に寄り添えたのかなと、安堵したところでした。これから始まる中学校生活や、その先の長い人生にある、様々な岐路でも、決して立ち止まらずに突き進んでいける強さと、優しさを身に付けることができたなと感じる場面でもありました。

最後になりますが、卒業する皆さんへの餞として「三月の風と、四月の雨で、五月の花が咲く」という西洋のことわざを贈ります。
この季節の天候を指す言葉で、三月は寒く、冷たい風が吹き、四月には沢山の雨が降り、気持ちは重いけれど、それらがあるから、五月に色々な花が咲き、大きな実を結ぶという意味なのです。コロナ禍で、色々な制限がある中、良く辛抱して今日まで頑張ってきました。
今はもう少し我慢して、この先にある未来の目標に向けて、準備を整えていくことが大切です。必ず明るい未来が待っています。それまで力を蓄えていきましょう。

それでは、お別れの時がきました。
第六十六回卒業生七十六名の未来に、美しく大きな花が咲くことを願い、式辞といたします。
頑張れ、令和三年度卒業生!

六十六回卒業証書授与式
校 長  松 木  尚

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